「ボトムアップでの途上国課題解決を目指すコペルニクの活動」
日時
2021年11月6日(土)12:10~13:10
講演概要
コペルニクは2010年に、途上国の課題をより効果的に解決するために創設されました。政府対政府が基本となっている国際援助の仕組みでは、ふつうの人々が困っていることにきめ細やかに対応することは難しいのではないか、また、公共セクターの中で閉じこもり、ベンチャー企業などの活力が全く生かされていないのではないか、という疑問から始まりました。当初は、主にベンチャー企業が開発した途上国向けのシンプルなテクノロジーをラストマイルに届けるという活動に従事していました。
近年は、新たな課題に対する解決策の効果をについて実証実験を通じて確かめるという、途上国支援のR&Dの役割を果たしています。これは、途上国向けソーラーライトや簡易浄水器などが、途上国問題解決の傍流から主流の一部になる過程を伴走してきた中で新たな可能性を感じたことから始めた取り組みです。さらに、直近では、コロナ禍において貧困層にも新たな課題が出てきており、コペルニクとしても、支援の種類、支援の仕方について新たなアプローチを試しています。
本講演では、コペルニクを立ち上げるに至った背景、コペルニクの初期の活動、初期の活動からの学び、そしてSolutions Catalogや、VR for SDGsなどの現在の活動について紹介します。
講演者プロフィール
国際開発をより効果的なものにするというビジョンのもと、2010年にエヴァ・ヴォイコフスカとともにコペルニクを創設しました。コペルニクを創設する以前は国連で勤務し、東ティモール、インドネシア、シエラレオネ、アメリカ、スイスを拠点として、ガバナンス改革、平和構築、モニタリング・評価、自然災害後の復興などに従事しました。国連の前職はマッキンゼー東京支社で経営コンサルタントも務めました。
京都大学法学部卒業、英国ロンドン経済政治学院比較政治学修士号取得。現在大阪大学COデザインセンターで招へい教授も務めています。2012年には世界経済会議(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーに選出。同会議の持続可能な開発における、「グローバル・アジェンダ委員会2014-2016」の「持続可能な開発」委員を勤めました。