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A-01 ストレッチャブルエレクトロニクスの分野横断・国際研究
【講演概要】「ゴムは電気を流さない」という従来の常識を覆し、柔らかく伸び縮みする電子材料の研究が急速に進展しています。伸縮性電子材料を基盤とするストレッチャブルエレクトロニクスは、皮膚と同等の柔軟性と装着性を備え、長時間の生体情報モニタリングを可能にする次世代ウェアラブル技術や、VR/AR用の自然なインターフェース技術として大きな注目を集めています。この研究を前進させるには、新材料の開発から新しいデバイス、そして具体的な応用まで、異なる分野が手を取り合う共同研究が不可欠です。本講演では、材料・デバイス・応用を横断する学際研究の最前線を概説するとともに、講演者が国際共同研究を通じて得た実践的な知見を紹介します。特に、専門外の研究者とのコミュニケーションの工夫や、共同研究を円滑に進めるための具体的な取り組みなど、現場の経験に基づいた議論を行います。【受講で得られること】次世代のウェアラブルデバイスやVR/ARデバイスを実現する伸縮性エレクトロニクスの学際研究と、国際共同研究で培った異分野間の円滑な連携や意思疎通の工夫など、実践的な知見を紹介します。・次世代ウェアラブルデバイス・異分野コミュニケーション
A-02 未来のプロジェクトリーダーは教室では育たない— STEM Racingが示す次世代PBL
【講演概要】本講演では、国際STEM教育プログラム「STEM Racing(旧F1 in Schools)」を事例に、プロジェクト型学習(PBL)がどのように次世代のプロジェクトリーダー育成につながるのかを考察する。STEM Racingでは、生徒たちがチームを組み、ミニチュアF1カーの設計・製作・テスト・レースに挑むだけでなく、スポンサー獲得、ブランド構築、プレゼンテーションなどを含む一つのプロジェクトを運営する。これらの活動を通じて、計画立案、役割分担、意思決定、リスク対応、チームマネジメントなど、プロジェクトマネジメントの要素を実践的に学ぶ環境が生まれている。生徒たちの実際の活動事例やインタビューを交えながら、STEM Racingがどのように「持続価値を生み出すプロジェクト型教育」として機能しているのかを紹介する。また、小中高等教育のPBLが大学や社会におけるプロジェクト実践へどのようにつながるのか、その教育の連続性について考察する。【受講で得られること】本講演を通じ、STEM Racingの実践例から、10代の生徒が実際のプロジェクト運営でPMの基礎やリーダーシップを体得するプロセスを学びます。さらに、初等・中等教育のPBLが大学や社会での実践へどう繋がるか、その連続性と可能性を理解できます。
A-03 PBLとプロジェクトマネジメント教育が生んだ国際コンペ優勝の軌跡 / PM教育におけるPBLの限界を補完するナラティブアプローチ
【講演概要】こちらではグローバル関連の活動について2つの講演を公開しています。 ①PBLとプロジェクトマネジメント教育が生んだ国際コンペ優勝の軌跡日本最大の社会課題の一つである高齢化問題に着目した学生チームが、2024年11月にゼロからプロジェクトを立ち上げ、2025年6月のPMI Region 9国際プロジェクトコンペティション(アジア太平洋地域5か国・99チーム参加)で優勝するまでの軌跡を紹介する。立命館アジア太平洋大学(APU)の多国籍学生チーム「ElderCare Connectors」は、ひとりで暮らす高齢者と介護者をリアルタイムでつなぐIoTデバイス「ECC:ElderCare Connect」を開発した。ビジネス専攻学生が主体となりながらも、外部の工科系大学と連携し、動作するハードウェア・ソフトウェアプロトタイプを大会に持ち込んだ点が高く評価され、最高賞を獲得した。本講演では、プロジェクトベース学習(PBL)の観点から、1.ゼロベースでのチーム形成と課題設定;2.ウォーターフォールモデル等の実践的活用;3.多様性あるチームのマネジメント;4.社会インパクトとスケーラビリティの設計プロセスを共有する。学生の主体性とPM教育がいかに「持続価値」を生み出すかを実践事例から探る。②PM教育におけるPBLの限界を補完するナラティブアプローチ - Project Kids Adventure活用事例の紹介PBL(Project-Based Learning)は、対象となる技術や社会領域の学習に有効な教育手法として広く用いられています。一方で、プロジェクトマネジメント(PM)活動の学習においては、計画立案や役割分担といった作業そのものを「こなすこと」が目的化してしまったり、事前に作り込まれた計画が探索的学習を阻害してしまう可能性も指摘されています。そこで本講演では、物語を読みながら第三者の視点でさまざまなプロジェクト事例を追体験する「ナラティブアプローチ」に着目します。この方法により、学習者は普段無意識に行っている自身のPM活動をメタ認知し、計画や役割分担といった「手段」ではなく、その「意義」について深く考える機会を得ることができます。PMI教育財団(PMI Educational Foundation: PMIef)では、子ども向けの小説『プロジェクトキッズアドベンチャー(PKA)』を教育利用に限り無償公開しています。PMI日本支部では2018年にボランティアチームを組織し、PKA全6巻の翻訳出版を行いました。本講演では、多くの大学・高専・ビジネススクールにおけるPKAを用いた教育実践事例を紹介し、その効果と課題について報告します。PBLとナラティブアプローチ双方の利点を組み合わせることで、より深い学びを支援する授業設計の参考にしていただければ幸いです。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。①• RACIチャート・リスクマトリクス・ウォーターフォールモデルなどのPM手法をPBLに組み込み、社会的成果を生み出す方法を理解する。• 多様性のあるチームがPM教育を通じてイノベーションを生む過程を学ぶ。• 学生主体のプロジェクトが社会インパクトを実現するためのファカルティコーチングの実践知を得る。②PM教育におけるPBLの限界を示し、それを補完するナラティブアプローチの可能性について、プロジェクトキッズアドベンチャーの活用事例を通して体験することができる。
A-04 生成AIアプリ開発力を基盤としたプロジェクトマネジメント人材開発の再設計 ~バイブコーディングによるプロトタイプ開発能力育成の必然性と戦略的意義~
【講演概要】本研究は、中等教育と高等教育における「バイブコーディング」(生成AIを活用したWebアプリ開発手法)を学習プロセスに組み込んだ教育実践の報告である。具体的な学習活動として、JIS-BASICシミュレータの実装や、日々の進捗を記録・報告するスマートフォンアプリの開発に取り組んだ。さらに、学習者自身が開発したアプリの活用方法を自ら設計するという、実践的なプロジェクト経験も導入した。これらの一連の活動を通じて、プロジェクトマネジメント人材に不可欠な「問題発見力」と「課題解決力」の育成効果を検証する。本研究が示す実践的含意は、プロトタイプ開発能力の習得が単にITプロジェクトにとどまらない点にある。非ITプロジェクトを含むあらゆるプロジェクトにおいて、アジャイル型プロセスへの適応力を高め、組織の持続的なイノベーション創出を支える基盤となる——そのような構造的メカニズムを提示する。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。・生成AIを活用したバイブコーディングによるプロトタイプ開発の実践手法と教育設計への組み込み方・WebアプリCL開発を通じた問題発見・課題解決力の育成プロセスと学習効果の検証方法・ITプロジェクトに限らないアジャイル適応力と組織イノベーション能力の強化につながる人材育成戦略
A-05 中学校におけるプロジェクトマネジメント実践報告 / ロボット開発を核とした社会実装型STEAM教育モデルの構築と実践
【講演概要】こちらでは、中学・高校からの2つの講演を公開しています。①中学校におけるプロジェクトマネジメント実践報告芝浦工業大学附属中学高等学校では,約9割以上の生徒が理系に進学し,多くが物理を選択している。こうした背景のもと,将来,理工系分野で活躍する人材の育成を目指し,特色ある理工系教育を展開している。その一環として,中学3年生を対象に「サイエンス・テクノロジー・アワー」を実施している。本授業は,科学技術の面白さや社会とのつながりを体験的に学ぶことを目的としており,その中でプロジェクトマネジメント(PM)教育を取り入れている点に特徴がある。本実践では,「役割と責任」やQCDS(品質・コスト・納期・条件)の概念を基盤とし,紙飛行機の制作を題材としたプロジェクト型学習を実施した。コストや時間などの制約条件を設定することで,生徒はチームでの意思決定やトレードオフを伴う判断を経験し,実社会に近い思考プロセスを体感することができる。特に本研究では,評価基準にコスト要素を導入したことにより,生徒の判断や行動にどのような変化が生じたかに着目した。本講演では,①カリキュラムおよび実施体制,②授業実践の具体的内容,③PMIボランティアおよび生徒アンケートに基づく教育効果と今後の課題,の3点について報告する。②ロボット開発を核とした社会実装型STEAM教育モデルの構築と実践本講演では、中学1年時にレゴ社のロボット教材を用い、社会的課題を設定し、チームで企画、設計、開発を行うものづくりの基本プロセスを体験する。その学びを本格的なロボット開発および高校の探究活動へと接続する6年一貫のSTEAM教育モデルの設計と実践、ならびに教育的効果について報告する。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。①1.中学生にPM教育を導入する希少性と意義を実践事例から理解できる。 2.コストや時間制約が意思決定や多面的思考に与える影響を学べる。 3.PMIボランティアと中学校の効果的な連携のあり方について,実践事例から具体的に理解できる。② 1.課題解決型ものづくりのプロセス→ 実践的な問題解決力と創造力が身につく2.STEAM教育の段階的な接続→ 学びを継続・発展させる教育設計の重要性3.教育モデルの効果と意義→ 実社会につながる力の育成方法
A-06 学校と社会の境界を越境する学びのデザイン —ゼロから生み出す産学連携プロジェクトに見る「持続価値」のつくり方—
【講演概要】本講演では、中学校・高等学校の現場での「ゼロから生み出す産学連携プロジェクト」の実践の紹介を通じて、これからの教育に求められる「持続価値」構築の方法と、その可能性について考えるきっかけとする。現在、教育現場には、単なる知識の習得を超え、実社会の複雑な課題に対して自ら問いを立て、解決策を創出する力が求められている。そんな中、筆者の実践では、学校という枠組みを越え、企業や地域社会と深く連携する「越境」を学びの中核に据えている。生徒が社会のリアルな課題に主体的に関わり、多様なステークホルダーと協働しながら共創するプロセスは、単なる社会課題解決にとどまらない彼らの未来創造にまで発展する可能性を秘めている。その意味では、PMIが提唱する「チェンジ・メーカーとしてのPM教育」を体現するものといえる。不確実な時代において、生徒が自らの意志で価値を創造し続けるための「学びのデザイン」のあり方を、その素地となるNIEの実践も紐解きながら、具体的な産学連携の複数の事例とともに詳述する。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。1.「ゼロからの価値創造」のプロセス2.「産学共創」の具体的な複数の事例3.「学校と社会の境界を越境する学びのデザイン」による生徒の意識変容から行動変容の可能性
A-07 帰属意識はいかに学習コミットメントを高めるのか - 全寮制環境における実証分析 - / 「Software 2.0」実装におけるアジャイルと計画駆動PM方法論教育の実践:テスラ社の自動運転技術ケーススタディと社会実装に向けた学生の考察
【講演概要】こちらではアカデミックスポンサーからの2つの講演を公開しています。①帰属意識はいかに学習コミットメントを高めるのか - 全寮制環境における実証分析 -本講演では、大学生における帰属意識と学習コミットメントの関係について、東京理科大学の全寮制の長万部キャンパスの事例をもとに紹介します。一般に寮生活はコミットメントを高めると捉えられがちですが、本講演では、その効果が単純に生じるものではない点に着目します。分析から、共同生活そのものよりも、日常的な雑談や相談といった非公式な相互作用のしやすさ、すなわち「関係の密度」が重要な役割を果たしていることが見えてきました。さらに、このようなコミュニティは新しい環境への適応を支え、学習への主体的な関与にもつながっていることが示唆されます。本講演ではこれらの知見を踏まえ、組織におけるコミットメントを高めるためのコミュニティ設計のヒントについて考えます。②「Software 2.0」実装におけるアジャイルと計画駆動PM方法論教育の実践:テスラ社の自動運転技術ケーススタディと社会実装に向けた学生の考察人間が事前にルールや論理をコーディングする決定論的な従来の手法とは異なり、大量の訓練データからAIが直接学習して確率論的なモデルを構築する「Software 2.0」の台頭は、厳密なスコープ管理と要求管理を基礎としたプロジェクトマネジメント方法論の教育との間にギャップを生じさせる可能性があります。また学生は、このような複雑なシステムのプロジェクトマネジメントにおいて、アジャイル型手法と従来の計画駆動型手法をいつ適用すべきかの区別に苦慮することが予想されます。本講演では、プロジェクトマネジメント方法論とシステムズエンジニアリングのアーキテクチャ思考を融合させた約10年間の教育実践を基盤とした授業内ワークショップ手法から、上述のAIを基盤としたシステムにおけるPM方法論の境界(有効性と限界)の学生の理解にどう寄与してきたかを整理します。 具体的には、米国等で既に稼働している自動運転システム(Tesla Full Self Driving System)の事例を通じて学生(社会人、新卒)にタスクに取り組ませた結果を比較し、プロジェクトマネジメントにおけるアジャイルとウォーターフォールのハイブリッド性やアジャイルの限界の思考実験手法を提案します。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。①・組織におけるコミットメントが生まれるメカニズム・エンゲージメントを高める「関係の密度」を意識したコミュニティ設計②・AI(Software 2.0)時代のプロジェクトマネジメントにおける新たな課題と対応策の理解・テスラ社の事例を通じた、アジャイルと計画駆動型(ハイブリッド)手法の使い分けと限界の習得・システムダイアグラムを活用した、複雑なAIシステム実装のための実践的な思考プロセスの体得
A-08 群馬高専におけるアントレプレナーシップ教育の概要と学内アイデアコンテストの成果報告 / Engineering Ethicsの可能性をひらく― 企業文化・組織・働き方への接続の試み ―
【講演概要】こちらでは、高専のアカデミックスポンサーからの2つの講演を公開しています。①群馬高専におけるアントレプレナーシップ教育の概要と学内アイデアコンテストの成果報告本校は文部科学省の「高等専門学校スタートアップ環境整備事業」の予算により、2023年4月よりアントレプレナーシップ教育を開始した。本校では、アントレプレナーシップを起業家に求められる能力として、リーダーシップ、想像力、マネジメント能力、チャレンジ精神、コミュニケーション能力などの「自らの人生を主体的に創造する能力」と定義している。その教育の一環として、1年全員を対象とした必修科目としてアントレプレナーシップ概論を設置し、また、高学年で従来より行われていたPBL科目へのてこ入れを行った。また、学生が自由に利用できる「工房」の新設し、3Dプリンタやレーザカッターなどの装置機器類を導入した。更に、2025年度末から2026年4月にかけて、学生の課題発見やプロジェクト進行を体験させるために、学内アイデアコンテストをはじめて実施した。2026年度末から2027年4月にかけても同様の学内アイデアコンテストを実施した。本講演では、本校におけるアントレプレナーシップ教育の概要について説明し、次いで、学内アイデアコンテストの進め方や学生への教育効果について概観する。②Engineering Ethicsの可能性をひらく― 企業文化・組織・働き方への接続の試み ―本講演では,技術者倫理教育を,過去の事例から導かれる事故防止や不正防止のための教訓・知識の伝達に限定せず,企業文化・組織・働き方にも接続する実践的な学びとして再検討する。まず,技術者倫理教育の歴史と現状を概観する。次に,Game-Based Learning を用いた教育実践や,インクルーシブデザインと結び付けた教育プログラムを紹介し,Engineering Ethics が,対話,協働,多様な立場の理解,意思決定,価値の調整といった能力を育みうることを示す。さらに,こうした学びが高等教育から企業研修へと接続されることで,組織におけるコミュニケーションの質,チームの協働,責任ある価値創出,包摂的な組織文化の形成にどのような可能性をもつかを考察する。【受講で得られること】本講演から、次の様な知見を得ていただくことができます。①1. 学内アイデアコンテストにおけるPMの考え方の適用例2. 群馬高専におけるアントレプレナーシップ教育②1.技術者倫理教育の歴史・現状に関する基礎的理解を得る。2.Game-Based Learningやインクルーシブデザインが,対話,協働,意思決定,多様な立場の理解を育む仕組みを学ぶ。3.技術者倫理教育を企業文化・組織・働き方に接続して捉える視点を得る。