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A-01 大学教育におけるPM教育の実態調査と授業実施事例
【講演概要 】 日本国内の大学・大学院・高専では、PBL(Project-Based Learning)を含むプロジェクトマネジメント(PM)教育が導入されています。しかし、その実態や教育手法に関する体系的な把握は十分に進んでいませんでした。本調査では、PMIのアカデミックスポンサーを対象に、国内のPM教育の現状を明らかにする初の実態調査を実施しました。本講演では、調査結果をもとに、大学におけるPM教育の特徴や課題、今後の改善点について考察し、調査結果の活用方法とPM教育の発展に向けた展望を探ります。加えて、大学生向けPM教育の具体的な事例として、ビジネスモデル研修の取り組みを紹介します。本研修は、PMI日本支部会員のボランティア協力のもと、大学3年生のゼミナール生を対象に、授業理解を深める特別講義として実施しました。研修で学生は、リーンキャンバスを活用したビジネスモデル構築の方法を学ぶことに加え、社会人とのディスカッションを通じて、プロジェクトの洗練化について実践的に学びました。研修後に実施したアンケート結果を基に、産学連携教育の効果や課題について考察し、今後のPM教育のさらなる発展に向けた示唆を提供します。 【受講で得られること 】 1.日本の大学におけるPM教育の特徴や課題2.大学教育におけるPMI日本支部会員のボランティア活動の事例3.社会人が大学教育に参画することによる効果
A-02 マネジメント教育における新しいパラダイム:自律学習を支援するためのRAG型AIティーチングアシスタント ~プロジェクトマネジメント学習を支援するAIティーチングアシスタントの実装可能性~
【講演概要 】 教育における生成AIの導入は、従来の教育手法を大きく刷新し、学習者個々のニーズや進捗に合わせた個別最適化の実現へ寄与しています。私が山口大学で担当した「創造的問題解決特論」や「企業経営と財務」などの科目では、RAGフレームワークで構築したAIティーチングアシスタントを学習支援ツールとして導入し、その効果を実証しました。本講演では、これら実際のAIティーチングアシスタントの開発と大学院教育における導入事例を紹介するとともに、プロジェクトマネジメント人材育成へ応用できる革新的教育手法としての可能性を検証します。また、RAGシステムは、組織独自のプロジェクトマネジメント資産を安全に形式知化し、内部の知見を効果的に活用する基盤となる仕組みであり、今後のマネジメント教育における新たなパラダイムの形成が期待されます。これらの取り組みを通じ、生成AIが切り拓く教育イノベーションを教育現場の視点から考察します。 【受講で得られること 】 1.RAGシステムを活用したAIティーチングアシスタントの設計・導入スキル2.社内ノウハウやPMBOKの知見を安全に形式知化する方法3.学習者の経験やニーズに応じた最適な学習プランを構築する能力
A-03 PM教育プログラム認定機関GACとは
【講演概要 】 業務を通してOJTで実践的・経験的にPMスキルを身につけてきた方が多いと思います。しかし昨今、プロジェクトの多様性と複雑化によりOJTだけでは十分な経験が積めないうえ、組織が社員の能力開発に十分な時間とコストを割けなくなり、PMとしての応用力が身につかない課題が挙げられています。OJTの時代ではなくなっているといえるでしょう。そのような環境にあって、大学におけるPM教育の重要性が増してきています。大学は学問を教える場だけでなく、就職前の学生に社会人基礎力をつける場でもあり、また大学院においてはアカデミックな研究の場だけでなく社会人の学び直しの場としての専門的教育も必要とされています。PMI GACは、高等教育機関(大学・大学院等)でのPM学位プログラムの質を評価し認定する機関です。世界中で約200件の学位プログラムが認定されていますが、日本においてはまだ1件も認定されておりません。若手PMの育成のためにも、日本もGAC認定校を増やしていく必要があります。本講演では、今後の日本の高等教育機関のあり方を提言するとともに、GAC取得の学校側のメリットや認定校の学生のメリット、認定のための申請方法などをお伝えします。 【受講で得られること 】 1.従来のOJTでは不足するPMスキルを補うための大学教育の重要性2.GAC認定がもたらす高等教育機関および学生へのメリット3.日本におけるGAC認定の現状と申請プロセス
A-04 地域共生に向けた産学連携教育
【講演概要 】 本講演では、地方からの人材流出の課題解決に向け、2022年度から広島市立大学 情報科学部において実施してきた「産学連携教育プログラム」の取組みについて紹介する。本プログラムは、情報科学部の学生が、自分たちの学びが将来、社会でどのように役立つかを知る講義科目と、ICTによる地域課題の解決策を実際に検討する演習・実習科目から構成されている。実践的教育の提供と、将来活躍の場が地方にもあることを知ってもらうことを目的として、様々な企業と連携して実施してきた。本講演では、実習科目の一事例として、ひろぎんホールディングスとNTTデータ中国が協働で行ってきた、本プログラムでの取組みについても紹介する。現在では、県内の他大学や広島県の参画も得て拡大し、「中山間地域におけるIT・デジタルを活用した課題解決」をテーマとした講義を通じ、広島県内の地域課題に対する学生の理解を深めるなか、地域社会のDX・IT化の促進に繋がるアイディアの創出を目指している。講義内で使用するアイディア創発のフレームワークや、企業・行政・大学連携による地域に根差したITデジタル人材の育成への取り組みについて紹介する。 【受講で得られること 】 1.産学連携による持続可能な人材育成の取組み紹介2.実践的な産学連携教育の事例紹介
A-05 高専のアントレプレナーシップとスタートアップ ―人材育成プロジェクトGEARの展開―
【講演概要 】 人口減少の中、地方創生を目指すために、高専の人財育成プロジェクトGEARが進んでいる。社会実装して持続的な活動に結び付けるための選択肢として、スタートアップがあり、そのためのマインド醸成としてアントレプレナーシップがある。1)アントレプレナーシップとスタートアップ それぞれの考え方と区別、スタートアップについての人的要因と環境要因について述べる。2)全国の大学・高専のスタートアッププロジェクトの紹介 国策と推進される中、全国の大学と一部の高専を対象として、JASTの7つのスタートアッププロジェクトが推進されている。東北大学が取りまとめているMASP事業と東北地区高専の活動を説明する。3)人材育成プロジェクトGEARの展開 プロジェクトGEARは、6つのユニット(マテリアル、介護・医工、防災・減災(防疫)、防災・減災(エネルギー)、農水、エネルギー・環境)からなる。その社会実装とスタートアップの現状を述べる。 【受講で得られること 】 1.大学・高専のスタートアップの現状2.高専の人材育成プロジェクトGEARの展開
A-06 これからの時代の課題解決とネガティブ・ケイパビリティ ~クリエイティブコンフィデンスを養う~
【講演概要 】 変化が早く複雑なことがらが絡み合う現代社会において、先を見通すことが難しくなっている。我々は「もやもやした状態」を抱えながら日々の課題解決に向き合うことを求められているといえる。東京理科大学経営学部国際デザイン経営学科では、この「もやもや」を受容(ネガティブ・ケイパビリティ)したうえで、チームメンバーと課題解決に向き合う態度を涵養する授業を多く実施している。本発表では「Creative Confidence」という授業を紹介し、自分らしさの表現と受容を通して他者とのコミュニケーションをどのように発展させているかを紹介する。 【受講で得られること 】 1.チームづくり2.クリエイティブコンフィデンス3.ネガティブケイパビリティ
A-07 PROJECT ATAMIを活用した教育の提案 ―アートプロジェクトのプロジェクトマネジメント視点からの分析―
【講演概要 】 PROJECT ATAMIは、熱海の魅力をアートにより再発見し、目に見える形にすることで、それを体験し楽しんでもらうために、2022年にスタートしたアートプロジェクトである。本プロジェクトは、滞在制作型プロジェクトである「ATAMI ART RESIDENCE」と、芸術祭参加のアーティストをサポートする仕組み「ATAMI ART GRANT」、NFTやメタバース上で発表できるような作品を収集する「META ATAMI」を三本の柱として取り組んでいる。本研究では、PROJECT ATAMIの調査・分析を通じて、アートプロジェクトのプロジェクトマネジメント(PM)手法について考察し、教育への活用について提案する。 【受講で得られること 】 1.Art ProjectにおけるPM手法の理解2.PROJECT ATAMIを活用した教育の提案