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[講演概要]基調・招待講演

M-04 沢村 澄子 氏「未完の先へ」 書家

招待講演
 
 招待講演:秋葉原会場

【講演概要】
書家・沢村澄子の大作の中から、主に野外インスタレーション作品をスライドショーでご覧頂く。
ホワイトキューブと称される美術館やギャラリーで行われる条件一律の展示形態から、野外での作品発表に移る時、天候などを筆頭に、作品をめぐる環境は著しく変化する。そこでの展示を全うするには、結論的に、管理しない管理、展示を揺るがす力を逃がす工夫など、さらに視野の広い、柔軟な制作が必要となる。変化が起こること、予定どおりではないこと、変化を受け入れること、作品作りは「変化をマネジメントする」とも言える。


そのため、一つには「欠け」が必要。自身、その作品が完璧にそれそのもので完成されていると、他者が介入すれば、はやその段階で崩壊となってしまう。他者が加わってもなお成立可能な作品を作ること。その「欠け」に参入するもの、「欠け」が孕むものによって、作品が一層豊かで大きなものへ変容する仕組みを自身内部に持っておくことの重要を思う。


言い変えれば、常に未完であること。小さな完成(予定調和)を望まず、起こることを常に孕み、好転させ、さらなる大へとどんどん作り変えてゆく英知を自らに養い続けること。恒久的なものなどなく、諸行無常のこの世で、その一瞬一瞬にいかに対処してゆくかが、わたしの活動の根源にいつも据えられている。変化を受け入れ、他者の参入を受け入れることを想定した作品作りについて、お話しできればと思う。





講演者プロフィール


2025年  Jeonnam International Ink Biennale日本代表(8/30~10/31)
2024年 第14回手島右卿賞
       沢村澄子展「宙(そら)と書と」みつけ市民ギャラリー
       エンジン01文化戦略会期 in 和歌山有田
2023年 第73回芸術選奨美術部門文部科学大臣賞
       東急歌舞伎町タワー内、BELUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel に作品40点が常設される
       「書のよろこび」沢村澄子展 石神の丘美術館
2022年 「宮沢賢治ー沢村澄子 現象的書展」宮沢賢治イーハトーブ館
2019年 第29回宮沢賢治賞奨励賞
2014~2016年 柳嶋妙見山法性寺(東京墨田区) 襖28面制作


新潟大学特設書道科在籍中から個展での発表を開始。130回を超える。ワークショップやパフォーマンス、他ジャンルとのコラボレーションにも参加。

書を「書くことWriting」と定義、「描かないことNot drawing」で自作と絵画を分別する。


配信


リアルタイム:7月12日(土) 14:30~15:30 

オンデマンド:7月14日(月)~8月31日(日)


※参加申込み(チケット購入)された方は、7月12日以降にアクセスすることができます。